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混合診療解禁の問題は、一般市民を中心とした反対運動として大いに盛り上がり、非常に多くの国会議員の理解を得て、ついに「導入見送り」という形で決着した。へそ曲がりで他の議員の言うことにほとんど耳を貸さない小泉首相もこれだけ国民の反発を受けるとさすがに「これはまずい」と思ったらしい。患者から要望のあった欧米の未承認薬や患者の希望で行う手術などについては、現在例外的に混合診療が認められている「特定療養費制度」の拡充で対処することとなった。何も混合診療の全面解禁などしなくても、もともとこのやり方で十分いけるのだ。
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それにしても政府の規制改革開放推進会議の議長M氏はどうしようもない。今回もこれだけ国民が反対しているのに、「どうして小泉首相がやろうといっていることが出来ないんだ!」と尾辻厚生労働大臣にくってかかって、激しい言い争いになったらしい。議会制民主主義をなめているのか!首相がやりたいことをそのまま全部通すのなら、議会なんて要らない。どこかの隣の国の独裁者と同じである。この人には中学レベルの社会の教育がいるらしい。大体、この混合診療の解禁や株式会社の医療への参入にしても数年前か話が出てきては反対が強くてつぶされ、ほとぼりが冷めた頃合いを見計らってまた同じ案を出してくる。これらの案はいずれも国民の為とか何とか言いながら、結局は医療の分野でひともうけしたい連中の考えなのだ。M議長にとっては自分の会社のもうけになる話だからやりたがるのは当然で社会保障のことなんかまったくわかっちゃいない。 大体、先ごろのプロ野球界の混乱にしてもそうだ。引き金はオリックスによる近鉄の合併吸収である。オリックスという会社は球団買収であれだけ名を売って宣伝広告塔としては十分元は取れているにもかかわらず、ちょっと球団経営が苦しくなるとイチローをポスティング・システムでメジャーリーグに売り飛ばしたり、契約金なしの力のない選手を大量に入れたりする。その結果、チームは当然のごとく最下位続きで失点の日本記録を何度も更新する有様である。 そんなチームを金をかけずに少しでも強くし、1リーグ制にして巨人や阪神と試合をして赤字を減らす一石二鳥の方法が近鉄の合併吸収だったのだ。だから、近鉄を買うという会社が出ても聞き入れず、どうしても1リーグ制にしたかったのだ。でも、ファンが納得せず、楽天が参入し、2リーグ制が維持されたのは幸いなことであった。 このオリックスのオーナーこそ先ほどのM氏である。2リーグ制の存続が決まり、専門家やプロ野球を愛するものの大多数が球団を減らすことはプロ野球の衰退につながるといっているにもかかわらず、この人は未だに自分の思う通りの1リーグ制にならなかったことに不満を言い続け、まだ諦めていないと公言してはばからぬどうしようもない人間である。 この構図は今回の混合診療解禁問題と全く同じである。社会保障全体やプロ野球界全体を全く見ずに自己の利益になることばかり考えているといわれても仕方あるまい。規制改革開放推進会議のメンバーに社会保障の専門家はひとりもいない。医療・介護・年金のわかる人はひとりもいないのである。社会保障に経済至上主義はなじまないというのは社会保障の専門家なら誰でも知っている。だから、今回の件でもいつもは対立することの多い厚生労働省と日本医師会の意見は「混合診療解禁反対」で全く一致していたのだ。でもあの了見の狭いM氏はまだ諦めていない。社会保障に関して小泉首相は非常に危ない。規制改革開放推進会議が偏ったメンバーのままで続く限り、日本の社会保障の危機が去ることはないだろう。 |
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