医療法人 さほり眼科

 

 

近鉄奈良線「若江岩田駅」近くの眼科。赤ちゃんの目の健康相談、こどもの視力低下から、大人のつかれ目、中高年の白内障、緑内障に至るまで幅広い診療を行っております。コンタクトレンズ指導・取扱い。
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2004年のひとりごと

2004年度の日記一覧

不必要な検査?

1月1日

 

1月1日

めばちこや結膜炎で診てもらいに行ったのに、どうして視力検査や眼圧検査など余計な検査をするのか、と思っている人が時々います。中には怒る人も稀にいます。

 でもそうやって緑内障や網膜剥離、弱視の進行を未然に防ぐ事ができるのです。それをわかって欲しいのですが・・・。

 

窓口会計の不思議

2月1日

 

2月1日

窓口会計のことでひとこと。眼科も含めて一般的な話をします。新聞の投書などで時々医療機関の窓口での支払の疑問を目にします。同じような検査、処置、薬でも病院に行く日によって料金がまちまち・・・こんな経験ありませんか?
 これは検査・手術・薬などのすべてのことが法律で定められていて、その法律が複雑で分かりにくいせいなのです。例えば毎回同じ検査をしていても、この検査は月4回までとか、この検査は月1回しか算定できない、などと決められているのです。
 だから月をまたいで診察を受けると急に料金が高くなることもありうるのです。初診料も風邪や急性結膜炎などの急性疾患なら同じ月内でも新たに病気が発生すれば毎回算定できるとか、慢性疾患でも3ヶ月以上受診しなければ新たに初診料を算定できるとか決められているのです。薬も種類によって1回に出せる量に制限があります。手術も状態の難しさや術者の経験(大学病院の教授でも研修医でも)に関わらず一定です。
 こんな話は病院の窓口ではなかなか説明できませんよね。最近は特に政治がらみで短期間に法律がコロコロ変わるので医者の方もついていけないほどです。ましてや患者さんがわけが分からないのも当然ですよね。

 

CL専門クリニックのウラ事情

4月1日

 

4月1日

今、一部のコンタクトレンズ専門クリニックでの診療が社会問題になっています。コンタクトレンズ(以下、CL)は医療用具で必ず医師の指導・処方が必要です。ところがこの『医師』というのが曲者で、医師免許さえ持っていれば眼科の経験がなくても法律上は規制されないのです。このことを悪用し、一部のCL専門クリニックではCL販売会社が眼科の経験のない医師(例えば研究専門の医師)をアルバイトで雇ってきて形だけ診療させて診療報酬を請求しています。CLの値段は原価を割れるくらい安くして、診療報酬で利益を上げるというやり方で集客します。つまり、物の売買で利益をあげるという本筋を外れ、診療報酬を食い物にしているわけで医療費高騰の一因となっています。

 患者の立場から言えば、眼科医と思っていたのが全く眼科のどしろうとに診てもらっているわけで詐欺にあっているようなものです。もっとひどい場合には名義貸しのみで医者の診察がないのに診療報酬のみ勝手に請求されていることもあります。ここまでくると完全な違法です。

 

このようなクリニックは当然医師会には所属していません。医師会の会員なら入会時に診療経験の有無など標榜科目のチェックを審査して指導しますが、お役所が許可してしまえばこのようなケースでは医師会も全く力が及びません。結局、目のトラブルが多発しても対処できず、挙句の果ては「近くの眼科へ行きなさい。」と言われる始末です。訴訟沙汰になることも稀ではありません(眼科のどしろうとが診ているのですから当然の成り行きです)。
 患者の目の健康を守っている、という自負を持つ我々本物の眼科医としては義憤に駆られてなりませんが、今の日本の法律ではどうにもなりません。眼科医会はCLの扱いを日本眼科学会の試験をパスした眼科専門医取得者に限定して患者を守りたいと思っているのですが厚生労働省の腰は重くなかなか実現しそうにありません。  結局今現在の仕組みでは、自分の目を守るためには患者さん自身が医者や診療所の良し悪しを自分でしっかり判断してもらうしかないのです。『安すぎるものには必ずウラがある』ということをよく知っておいて下さい。

 

恐怖ビジネス

7月1日

 

7月1日

今、アメリカでブッシュ大統領を痛烈に批判した「華氏911」というマイケル・ムーア監督の映画が非常に話題になっています。先日、この監督の前作でアカデミー賞を取った「ボウリング・フォー・コロンバイン」というドキュメンタリー映画をビデオで見ました。なぜ他の国に比べてアメリカだけが銃犯罪による死亡者が多いのか、というテーマです。日本みたいに銃を規制していないから? でもカナダではアメリカ同様銃の規制もなく、銃の数も1000万世帯に700万丁と非常に多いのに銃による殺人は少ないのです。
 ムーア監督は、これは過剰に煽られた「恐怖の文化」のためだ、と考えています。アメリカでは、ニュースを見ても決まったように報道されるのは若い黒人男性の銃による殺人ばかりで、「先に殺らねばこちらが殺られる」「警察なんか、あてにできない。自分の家族は自分の力で守る」という風潮が極めて強いのです。

 

先日、作家の貴志祐介氏も新聞のコラムで書いていましたが、今の世の中は「安心・幸せ」を売るよりも、保険にしろ通販にしろ、人々の「不安・恐怖」につけ込んだビジネスの方がずっと儲かるというのが今のビジネス界の常識なのだそうです。確かにテロや北朝鮮のミサイルなどの恐怖があり、ピッキング盗や暴力的な事件が多発し、世の中全体が不安な雰囲気にある中で「不安になるな」という方が無理なことかもしれません。「備えあれば憂いなし」程度で抑えればよいのでしょうが、過剰な恐怖心が行き過ぎた暴力を生み出すことはイラク戦争を見ても明らかです(ただ、イラク戦争に関しては武器ビジネスや石油利権も絡んでおり、そんな単純なことでは片付けられませんが・・・)。

 我々医者もある意味「ちゃんと病院に来なければ病気が進む」などと患者さんの恐怖心をかきたてて儲ける仕事といえるかもしれません。でもこんな世の中ですが、たとえ儲からなくても不安を煽る医療でなく、できるだけの笑顔で「大丈夫ですよ」と患者さんを安心させてあげる医療を心がけたいと思います。

 

医療の未来は・・・

10月1日

 

10月1日

2005年○月○日、小泉内閣のもと、厚生労働省と医師会の猛烈な反対をも押し切って、ついに医療への株式会社の参入と混合医療が解禁された。
 不況に喘ぐ企業のオーナーたちにとって医療の分野は未開拓の非常に魅力的な儲け口であった。また、混合診療は国が保険給付を認めない検査・手術・薬などの自費診療を積極的に認めるものであるが、これを拡大していけば患者の自己負担は大幅に増えることになる。しかし、そんなことはお構いなしで国庫の支出さえ抑えられればよい財務省にとって、混合診療の解禁は非常に好都合な案であり、金儲けばかり考えている企業にとっても民間保険の拡大が望めるおいしい話なのであった。
 そうなればだんだん金持ちしか質の良い医療を受けられなくなることがわかっている厚生労働省と医師会はこの案に猛烈に抵抗した。しかし、国民はほとんど関心を示さず、近い将来そんなことになろうとは夢にも思わぬまま何事もないかのように通り過ぎてしまった。

 

その何年かのちの200X年×月×日、ある医院にて。

 医師 「公的健康保険で認められている検査はここまでです。これより詳しい検査は保険がきかないので自費扱いになりますがどうされますか?」

   患者 「どうされるって必要な検査なら金がかかってもしてもらわなしゃあないがな、先生。」

 医師 「混合診療が解禁されるまでは全部保険診療でいけたのですが・・・。他の国に比べたら日本の医療のコスト・パフォーマンスは世界一良かったのに、国の医療費がかかりすぎるからといって新しい検査や薬にもどんどん保険がきかないものが増えてしまったんですよ。そりゃ、国の医療費は抑えられたかもしれないけど、患者さんの窓口負担金は何倍にもなってしまいました。」

 患者 「先生、ほんまに高なったわ。こんなんやったら、我々貧乏人はおちおち病気もでけへんわ。少しくらいの風邪やったら家で我慢せなしょうないわ。」

 医師 「だから、症状がひどくなってからじゃないと来ない人が増えて困ってるんですよ。我々医者もあの時は随分反対したんですが、あの小泉首相が財務省の役人と金儲けばかり考えている企業のトップ連中とが結託して混合医療を解禁したり、株式会社に医療への参入を許可してからこんなことになってしまったんです。あの時もっと国民全体で反対運動をしていたらと思うんですが、今となっては・・・。」

 患者 「だって先生、僕ら混合診療とか何とかいってもなんのこっちゃわからんもん。小泉はんが『改革』ちゅうからええことや思てましたがな。」

 医師 「この病気にも良く効く薬があるんですが、国の認可が下りてないんですね。申し訳ないけどこれも自費扱いになりますがよろしいですね?」

 患者 「しゃあないな。こうなったら別に民間の医療保険にでも入るわ。」

 医師 「でもね、民間の医療保険は金儲けするのが目的ですから病気をもっている人ほど保険料が高くなりますよ。もっとひどくなると、病気があるからといって保険の加入を拒否されることもあるんですよ。混合診療の解禁まではこんなこと心配要らなかったんですがね・・・。」

 患者 「ほな先生、貧乏人の病気持ちははよ死ねちゅうことですかいな。得して喜んどんのは、財務省の役人と医療を食いもんにする企業の連中ばっかりでんな。ほんま、嫌な時代になってしもたなあ・・・。」